イルカ38景
12:理屈じゃないのさ!
「なぁ、イルカ、放ってきちゃってほんとによかったのか?」
「いいんだ」
「だってあのスーツ、パスワード入れないと脱げないんだろ?」
「ああ、絶対脱げない」
「じゃあ今頃二人とも困って、あっ アオイ」
「もう黙れよ」
「う、うん アオイ、やっぱりイルカに教えてきた方が…んっ」
「イルカイルカって煩いぞ」
「だって」
「おまえ、俺とこうなってどのくらい経つと思ってんだ。 いいかげんイルカから離れろ」
「そういうんじゃ… あ、た、ただ友達として心配して…」
「放っとけよ、カカシさんと一緒なんだぞ」
「でも、パスワードなんか何億通り考えたって判りっこないって」
「考えなくても解除するように設定したんだ」
「考えなくてもって…どういうこと? ん、んんっ」
「あの二人が…お互いに…素直になればいいって…ことさ」
「んっ ア、アオイ… んふ、アオイ」
「好きだぜ、イサヤ」
「俺も…俺も好き」
「…(ニヤリと笑うアオイ君)」
「…え? パスワードって、これ?」
「正解」
「お…まえ」
「な、ごちゃごちゃ理屈考える前に素直に気持ちを言い合えばいいのさ」
「人が悪いよ」
「もう黙って、集中しろ」
「…」
だけれども、ドリーはちょっと心配かな、と思ったアオイ君でした。
すみません。これは続き物です。08→21→10→12 の順番です。
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