イルカ38景
04:さみしかったんだよなあ
ヤツラは、1ヶ月ほど前にこの森の奥にある湖の河畔にキャンプに来たらしい、脳天気な若い男二人組みだ。 日中は、湖で泳ぐ、釣りをする、サカル、飯、サカル、洗濯、サカル…と言った具合に主に男同士でイチャイチャとサカッてばかりいて、夜は言わずもがな一晩中サカッている、ホモ・カップルなのだ。 ああ、近付きたくネェ…
「おい、様子はどうだ?」
「へ……へい、いいいい、いつもの通りでやんす」
一応見張りを立ててあるのだが、その哀れな犠牲者は交代が来るまでずっとヤツラのイチャイチャを見せ付けられる。 精神攻撃と言っていい。 かわいそうに…。 ここにもまたイタイケナ若者が一人、汚染されてしまった。 見張りの子分Bは明らかに股間を張り詰めさせて、つい先ほどまで自らの手で慰めていたに違いない様子を醸し出していた。 判ってる、判ってるぜ、かわいい子分Bよ。 さみしかったんだよなぁ、あんなモン見せ付けられて、それで慰めてたんだよなぁ、自分で…、ああ判るぜ。
「その辺で出して来いっ」
「へへへへいぃっ」
がさがさっと藪に飛び込む後ろ姿に涙し、悪の元凶を睨む。 ヤツラは真っ最中だった。
「くそっ 真っ昼間っから俺達の漁場であんなッ あんんんなッハレンチな事を恥ずかしげも無くッ!」
「あっ あんな恰好! うぉっ すっげーっ」
「オメェッ なに覗きに熱中してんだッ! う、うぉっほーんッ!」
子分Aの後ろ頭をボカリと叩いてはみたものの、自分の股間もヤバ気になってきたのでなるべくヤツラの方を見ないようにして、慌てて業とらしく大声で咳払いをし、チラリとまた視線を戻すと、相変わらず励んでいる男の銀の髪がユラユラ揺れていたが、下に組み敷かれた黒髪の男の姿は岩陰にいい具合に隠され、白い足だけがチラリズムの極意のようにこれまたユラユラと揺れてこちらの股間を直撃した。
「うぉっほーーんッ ううぉっほほほーーんッッッ!! ゲホッゲホッゲホッ」
「お頭ッ だいじょうぶっすか?!」
咳払いし過ぎて咽てしまい、子分Aに背中を擦られながらも股間を膨らませる自分達だったが、ヤツラは一向に止めようとせず、剰えのんびりした声で何か呼ばわってきた。
「あのー、もうちょっとですんでー、お待ちくださーーいッ」
銀髪の男だ。 ヤツがタチなのだ。 下の黒髪の男がなにか叫んで文句を言っているようだったが、何を言っているのかは判らなかった。 このネコの黒髪の男の方が何となく良識的っぽいのだが、なんせ組み敷かれたら銀髪のし放題なので、やはり待つしかない。 屈辱の数分間。
「お待たせしましたーーッ」
やがて間延びした声が聞こえてきた頃には、自分達二人共が一心にオナッていたことは他の子分共には絶対の絶対に内緒の内緒だ!
すみません。これは続き物です。28→04→36→25→22→38 の順番です。
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28:イチャパラ
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36:イルカ先生真面目な人だから…
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