再見
9
イルカ 16
片足を担がれ身体を横向きに抱かえられ、更に前を握られて腰を揺すられる。 繋がりが深く信じられない奥まで突かれ握られたモノを扱かれて、イルカは上半身までガクガクと痙攣させ、声を抑えることも忘れて身悶えた。
「いやっ あっ ああっ いやぁ ぁあ」
辛くてヨクて、自分が今どんな状態なのが全く判らなかった。 カカシは腰を捩じ込みながらイルカ自身を強く握り、皮だけ上下させるように扱いては先端をぬるりと撫でた。
「あぁっ…や、いやぁーーっ だめっ離してっ あああっ たすけて……あぅ…」
体が瘧のように震える。 これでもかという快感を前と後ろと同時に与えられ、直ぐにでも弾けそうなのに、カカシに根元をぎゅっと握られ気が狂いそうだった。
「…たすけて……あぅうっ…たす…け、て…」
イルカは泣きながら懇願したが、カカシは尚も腰を揺すり続ける。
「達きたいの?」
荒い息を吐きながら、カカシが問う。
「やめてほしいの?」
ぐりりっとイルカの中を掻きまわす。
「ここで止めていいの?」
と、突然そこで動きを止めてまた問う。
「ちゃんと言って!」
「…い、達かせてぇっ」
堕とされた、と思った。 身も心も全てこの男の手の内だ。 イルカは泣きながら支配者に懇願を繰り返した。
---どうしよう、俺、この人のモノになってしまった
確かにカカシをかわいいと感じ、好きだと思った。 だがやはり心のどこかに献身の気持ちがあったのだ。 あんな顔をされ、ここまで求められて仕方無しに身体を許した、そんな気持ちだったと改めて悟った。 数時間前に会ったばかりの男なのだ。 身体を許す気になっただけでも本来なら考えられない。 だが今の自分は、カカシを求める気持ちを溢れさせている。 そしてセックスとはこんなものだったのか、とイルカは初めて認識した。 小説や仲間同士の猥談で聞くセックスなど、セックスの内に入らないと判った。 イルカのセックスに対する認識が一変した瞬間だった。
---どうしよう、どうしよう… 俺、この人に変えられてしまった
突き上げられる度に感じる身体の悦びを、ごまかすことができなかった。
---ああ、気持ちいい… もっと突いて欲しい、もっと抱き締めて欲しい、もっと…
カカシと一つになって溶けてしまえたら、と思うほどだ。
---どうして、どうして、どうして… どうしてこんなに感じるんだ?
身体を併せて確かめあう気持ちよさ。 安心。 喜び。 気持ちが逆流していく。 もう戻らない。 どんどん、どんどん、流れていってしまう。 この人が好きで堪らない。
「ん、んっ カカシ、あ、カカシ」
求める気持ちがカカシの名になって口から溢れ出た。 身体のざわめきが自分の悦びを中に居るカカシに伝える。 カカシはそんなイルカの変化を判っているのか、満足そうに抱えた太腿をべろりと舐めると、腰を激しく注挿させながらイルカ自身を上下に扱いた。
「あっ ああああっ」
痙攣して射精するイルカの後ろの締め付けに、カカシは呻き声を漏らしながらも耐えると、長く精を吐き出すイルカの竿を尚も擦り上げた。
「ひっ…やめっ…」
達したばかりの敏感な性器を扱かれる辛さがここまでとは。 もう声も出ない。 頭も真っ白だった。 快感なのか痛みなのか、辛いのかイイのか。 何も判らない。 カカシは最後の一滴まで搾り出そうとするかのように、イルカを根元から先端にゆっくりと扱くのを止めない。
「…ぅ…ぁぅ…」
ひくひくと震えるイルカの体にイルカ自身が放ったものをべったりと擦り付け引き伸ばすと、カカシは乳首を指の腹でぐにぐにと捏ね、ぐいっと腰を突き入れて言い放った。
「まだだよ、イルカ」
カカシ 14
足を下ろし、ぐるりとイルカの身体を反転させると、四つん這いにして腰を高く持ち上げる。 ぱんぱんと肉を撃つ音が響くほど勢いよく激しく突き上げて、思う存分自分の快感を追った。 目が眩むほど気持ちが好い。 時折イルカのイイところを擦り上げると、イルカは背を撓らせて闇雲に空を掻き毟った。
「あぁ…あああ……あぅ…」
完全に正気を飛ばしている。 男に抱かれるという事など何も知らずに身を許したのだろう。 先程は、自分の身体の変化に戸惑う風を見せていたが、今はただ、抱かれる悦びを全身で受け取っているように見える。
---この人は俺の手で変わった
そう思うと噴出す感情が止められなかった。 満足だろうか、愛しさだろうか、征服感だろうか…。 何かに縋るように彷徨い出る手を掴み取り、腕ごとその華奢な身体を抱き締めると、更に満たされる気持ちがした。
「気持ちいい? イルカ」
イルカは答えず、ただ何度も頭をこくこくと縦に振った。 ぴったり背と胸を併せて一緒に屈伸しながら身体を揺する。 イルカはうわ言のように自分の名を何度も呼んだ。 一回沈み突き上げるために伸び上がると、その度に切なげな声とともに頭が打ち振られ、解けた髪が艶かしく背筋を踊る。 そこを掻き分けるように鼻先を突っ込み首筋に接吻けると、イルカの身体全体が漣のように震え、中の自分を締め付けてきた。
「ああ… 俺も死ぬほどきもちぃ」
イルカを掻き抱く手の指先が胸元の尖りに当り、それを引っ掻くように弄ると更に震えが走り締め付けが強くなる。
「ああ、いい」
そう肩口で呻くだけで、またきゅうきゅうと自分を締め付け食むように擦られるのだ。 なんて身体なんだ、と思った。 汗で濡れる背中に顔を摺り寄せて接吻けると、その背が弓のように撓り、イルカは小さく叫んでまた締め付けてきた。
「あ、あ、あ…」
「うう」
激しい締め付けに、耐えられずイルカの中にまた放つ。 イルカのアナルの収縮が収まらず、達した自分が握られるように締め付けられて、痙攣したように震える身体を掻き抱いて暫らくその背に顔を押し付けたまま呻いた。 ドクドクという自分の心臓の鼓動がイルカに伝わっているだろうか。 腕の中のイルカの胸も、大きく上下を繰り返している。 痙攣が収まってくるとともに力を失う身体を抱き寄せ、自分も胡坐を掻いてその上に座らせた。 繋がったままだった。
「ああ、あんたをベッドで抱きたいな。 いろんな体位を試してあんたの好い顔見ながらしたい。」
濡れたように光る黒髪を掬い、項に接吻けながら思わず言ってしまうと、イルカはゆっくり片腕を上げて後ろの自分の頭を抱いた。 そして、ハッハッとまだ整わぬ息の下から掠れた声で答えてくる。
「き、きっと…無事に、帰って… それで俺を、ベッドで抱いて」
優しくゆるゆると髪を撫でられ、嬉しくてその手を掴むと接吻けた。
イルカ 17
カカシは、自分がただ身体の快楽に溺れたと思ったのだろうか、いやらしく手が前にまた這わされた。 自分のソコが感じると、アナルがカカシを締め付けるので気持ちいいのだ、とイルカにも判った。 串刺しにされたままの身体が為す術なくまたざわめきだす。 知らなかっただけで、自分は淫乱なのだろうかと思うほど、直ぐに反応しだす身体が浅ましくもあり、どこか愛おしいとも感じていた。 このままカカシに愛されて、感じて震えてそれでカカシが気持ちよければ、ずっとそうしていたいとさえ思った。 相手を愛しいと感じながらするセックス。 自分は何も知らなかったのだ、と悟った。
「あ、んん」
再びすっかり勃ちあがった自身を握られて喘ぎが漏れる。 カカシの大きな手の上から自分もそこを擦ると、カカシはそこは任したと言わんばかりに両手でイルカの腿を掬い上げてきた。 ゆっくりゆっくり上下に揺すられ、アナルを出入りするカカシを生々しく感じる。 イルカは必死で自身を擦った。 後ろでカカシが呻くのだ。 それがまたイルカを煽った。
「あ、好き、カカシ」
自慰行為が感情を昂ぶらせたのか、イルカは思わず想いを口にしていた。 カカシは一瞬ビクリと動きを止め、数瞬遅れて激しくイルカを突き上げだした。 男の自分を軽々と持ち上げて上下させる腕は、細身に見えて無駄の無い筋肉に覆われており、痛いほど強く掴まれた腿が熱かった。
「あっ あっ あっ」
目の前がチカチカしだし、完全に何もわからなくなった。 自身を扱く手も離してしまい、仰け反ってカカシの胸に凭れ首に両手を回して掴まった。 背中でカカシが大きく唸る。 抜けるほど持ち上げられ、ガンと落とされた後更に身体を押し付けるように抱き締められると、何回目かのカカシの熱を中で感じた。 それを嬉しいと感じる。
「あっ あうっ」
だが余韻に浸る間もなく、まだ震える身体をいきなり前に倒される。 カカシは腰を痛いほど強く掴むと、さらにガンガンと腰を打ちつけてきた。 若いとはいえ、何と言う精力だろうか。 カカシの全く萎えない雄が自分の中を荒らしまわる。 イルカは唯喘ぎ、絶え間なく続く快感に泣き叫んだ。
カカシ 15
意識が混濁してきたらしいイルカが、その体を支えていた手をカクリと折り頽れると、胸と頬をべたりと地面に付いた。 カカシは空かさずイルカの腹に手を回し、ぐっと引き上げ腰だけ膝に乗せると、上半身は前に倒れさせたままで両の二の腕を掴んだ。 そうしてそのまま前後に揺する。 イルカは力なく微かに喘ぎ声を零し、背を震わせている。 艶かしい。 後から後から溢れ出る愛おしさとも征服欲ともつかぬ感情が止められなかった。 体中を弄り嬲って泣かせたかった。 撓る背に誘われるように接吻けると、ひくっと音にならない声を発して反りかえり痙攣する。 その反応が一々いやらしく、自分を煽った。
「あぅ………あ……ぅう……ぁん…」
イルカを引き寄せ、その背を自分の胸に寄りかからせると、片手はイルカの中心で揺れるモノを握ってゆっくり上下させ、もう片手は胸の尖りを摘み、下からはゆるく突き上げる。
「あぁ…………ぃや……ぁんん…………ああ…」
陶酔したようなイルカの声を聞きながら、両手で胸を揉みしだき、首筋に接吻け吸い上げ、激しく抱きしめ突き上げる。 イルカの手が捕まるところを求めるようにまた前にさ迷い出るのを捕まえて、両腕ごとぎゅっと抱きしめると、耳に吹き込むように囁いた。
「あんたが好きだよ、あんたが好き。 どうしたらいいかわかんないくらい好き。 俺のモノだ。 俺のイルカ。」
「…ぅん…カ、カシ…カカシ…あん…ぁぁ」
イルカはうわ言のように名を呼び続けている。 内部は顫動し、ざわざわとカカシ自身を擦り上げて止まらない。
「ああ、ぅう、いいよ、すごくイイ。 あんたの中が俺を掴んで離さないよ。」
きゅうと締め付けが強くなる。 この人、声に感じるんだ。
「イルカ…ああ、いい…イルカ、イルカ…」
抱きしめ、突き上げ、囁く。
「ぁぅん…カカシ…カカシ……ぁん…カカシ…」
ぐったり凭れるイルカの重み、さざめくように擦り上げてくるイルカの内部、それしか言葉を知らないかのように自分の名を呼び喘ぐイルカの声。
ずっとこのままでいたいと思った。
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