嵐の夜に
3
体の中を蠢くモノの気配で目が覚めた。 だが瞼が重く、中々目が開けられなかった。 腕も重い。 否、体中が鉛でも詰まったようにズーンと重かった。 ただ、体内を這うように行ったり来たりするモノがむず痒く、ほんのちょっとだけ身動ぐとキシリと背筋が引き攣ったように痛んで呻きが漏れた。
「う…」
「起きました? ヨウスケさん」
顔のすぐ傍でする男の声に、ヨウスケは全身でビクリと震えた。 何故だろう、男が恐くて堪らない。 自分も男なのだから、そんな相手が男というだけで恐いなんて、お・か・し…い……
「あう、んむ」
ハッとして目を抉じ開けると、自分は男の腕の中にいた。 そして一言も発する事適わず口を口で塞がれ、剰え長い舌で口中を思う様犯される。
「う… んう…」
身を捩って抵抗を示すと、項をがしっと押さえつけられて尚接吻けは続き、体内を犯す指が一旦抜けて圧迫感を増して戻ってきた。 深く深く犯される喉とアナル。 身体が勝手にびくっびくっと跳ねる。 ちゅうときつく舌を吸われた後、やっと口を解放された時には、既に息が上がっていた。
「あふっ う、うん」
「ヨウスケさん、おはようございます」
立川だった。 昨夜の記憶がどっと蘇ってくる。 この立川とコウキチに、何回も代わる代わる一晩中犯されたのだ。 カーテンの隙間からちらちらと差し込む日の光から、もう朝だと判るのに、この男、まだ俺の家に居たのか。 あの、嵐の夜の男は、朝には姿が無かった。 それが普通じゃないのか? などとすっかり強姦された女のような思考になっているのにも気が付かず、ヨウスケは震えた。
「そんなに震えちゃって、俺が恐いですか?」
それとも期待?
アナルを抉る指が好い場所を突く。
「あ、ん」
女のような嬌声が漏れて思わず手で口を塞ぐが、立川はニタリと笑ってその手首を掴んだ。
「期待していただけたんなら、頑張らなきゃね」
「ち、ちが…」
「ああ、声掠れてますね。 昨夜さんざん喘いだから。 とっても色っぽかったですよ、ヨウスケさん」
「うん、指、やめて、あ、ああ…」
「あなた、昨夜薬盛られてたんですよ。 それでまたあなたが都合よく昨夜の事忘れるんじゃないかってね、俺が残りました。 コウキチさんはさすがに外泊は、ね?」
ね、と言われてももう返事も儘ならなかった。 指が擬似注挿を始めていた。
「あ、ああ」
「俺ももう直ぐ出勤時間だし、さっさと済ませてしまいましょう」
「済ませるって、な、なに」
「なにって…」
決まってるでしょう、と呆れたように立川は指を一気に引き抜いた。
「あうっ」
「ほら俺若いし、朝だし、ね? 判るでしょ?」
ヨウスケさん、と荒い吐息の下から名を呼ばれ、再び荒々しい接吻けを施されると、がばりと身体を起こした立川はヨウスケの両足を高々と肩に担いだ。
「あ… や… あっ」
立川は、ヒヤリとした物をアナルにたっぷり塗りつけるが速いか、ズクリと猛った己を穿った。
「いっ 痛っ うう」
「ヨウスケさん、力抜いて」
「あう、ううう、ん」
「息して、ほら」
指が口を抉じ開ける。 ゲホっと咳き込んだ瞬間、ぬくりと極太なモノが体内を埋め尽くした。 圧迫感にヨウスケは引き攣ったように身体を震わせた。
「ああっ あ… あ…」
「力、抜いて…ヨウスケさん」
立川の声も苦しげだった。 だが身体は自分の意思を離れて強張って痙攣した。 どうすることもできなかった。 すると立川は徐にヨウスケのペニスに手を掛けた。
「さすがに勃起たないか」
呟きながらもぐっぐっと上下に扱く。 徐々に意識がそちらに向き、僅かながらも痛みが散り出した。
「あ、う、うん」
「好くなってきました?」
濡れた立川の手がニュルニュルとヨウスケのペニスを扱く。 ジンワリと下腹に熱が集まりザワリと身体が快感を感じ出す。 男を受け入れている内壁が勝手に顫動し、アナルを占拠するモノを舐め出した。
「ああ…、すげぇ気持ちぃ。 ヨウスケさん、あんたエロいよ」
もうそんな言葉も言葉として脳に入ってこなかった。 ヨウスケは喘いだ。 ペニスを扱かれる気持ちよさの他に、もっとして欲しい事があるのに、そんな思考が侵蝕してくる。 だめだ。 頭のどこかで警鐘が鳴る。 だが体が勝手に動いた。
「ヨウスケさん、腰自分で振ってるよ? 俺に突いて欲しいんだ?」
「い、いや、ちが… あ、あ、ああっ」
緩やかな突き上げに腰が震えた。 ああ、気持ちいい。 なぜなんだ、どうしてこんなに気持ちがいいんだ。 俺の身体はどうなってしまったんだ。
「あんたいやらしい身体してんだな。 ほんとにこれで女にされて3日目かよ」
「た、立川く、うん」
「なんですか? ヨウスケさん、かわいいね」
甘えた自分の呼び声も信じられないが、それに接吻けで答えてくる立川も信じられなかった。
「あ、立川くん、や…だぁ、んん、んぁっ ああ、やだぁ」
接吻けては揺すられ、また接吻けては抉られて、ヨウスケは泣きながら甘えた喘ぎ声を零し続けた。 腰から下がどろどろに溶けていく。 頭を打ち振り、涙を零し、嫌々と口では言いながらもヨウスケは自分で腰を揺らめかした。
「何が嫌よ。 こんなにしといて」
立川が笑いながらヨウスケのペニスの先端を抉る。
「腰だって気持ちよさそうに振っちゃって」
打ち付けられる腰。 荒い息使い。 自分の甲高い嬌声。 立川が一度激しく奥を抉ると、擦り付ける様にアナルを掻き回してからブルっと腰を震わせて果てた。 ドクリドクリと体内に感じる立川のペニスの脈動と迸り。 ヨウスケも同時に達し、体を弛緩させて立川の腕の中で震えていたのだが、立川は途中でズリュっと己を引き抜くと、まだダラダラと零れる精液をヨウスケの腹にぶちまけた。
「ほら、あんたは俺に犯された。 あんたの中は俺の精液でいっぱいだよ? 昨夜からずっと注いであげてたんだから。 あんたは男に抱かれてアンアン善がるいやらしい身体を持ってる。 だけど気持ちはまだ処女なんだって? でもこれで判ったでしょ? あんたは男に抱かれて感じる身体になったんだ。 女だってこんなに我を忘れて感じて悶えないよ。 ね、判ったよね、あんたは俺達のモノだって」
滑る精液を震えるヨウスケの身体に塗りこめながら、立川は耳に囁き続けた。
・・・
ヨウスケの家の風呂は、近所から温泉を引いてあって24時間風呂だった。 立川はそこに自分を抱いて行った。 体を弄られながら洗われ、アナルを指で掻き回されながら注がれたモノを掻き出された。 途中、また立川の太いモノが入ってきて、後ろから好き放題に揺すられた。 もう、全くされるが儘だった。 身体に力が入らないばかりではない。 精神的に完全に受身になっていた。 おまえは俺達のモノだと言われ、俺達無しでは一日も居られない身体なのだと蔑まれ、抵抗などしない方が身の為だと脅された。 そしてやっと清められた身体をベッドに横たえられ、立川がヨウスケの家から去るのと入れ違いに、コウキチが現れた。 ヨウスケは、またコウキチに抱かれた。 抱かれて、女のような善がり声を上げ、腰を振り、またこれでもかと男が達した証を体内に注ぎ込まれた。 コウキチは、立川と違い荒っぽくは無かったが、一回が異常に長く執拗で、ツボを心得ていて、何時間も泣かされると、もう何も判らなくなっていた。 そしてまた囁かれる。
あんたは俺達のモノ
いい子に足を開いたら、毎日抱いてあげる
かわいがってあげる
だから、逆らったりしちゃだめだよ?
ヨウスケは唯頷いた。 いい子だ、といやらしい接吻けを与えられ、また何時間も犯された。
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