春雪


10


               ***


 くノ一葎は、この任務の計画立案、実行指揮のリーダーとしてターゲットの男”山城”を待っていた。 非常に気の重い任務だった。 葎は心のどこかで、この任務が途中で失敗に終わればいい、とさえ思っていた。 だが、あれよあれよと言う間に、どんどん計画どおりに運んでしまった。 それは喜ぶべきことなのだが、葎は終始訳の判らぬ苛つきに苛まれた。 そもそも、国境のバカバカしい小競り合いの尻拭いに忍が出たこと自体が間違いだったのだが、今思うとそれさえも、この”山城”のシナリオだったのでは、という疑惑が浮かぶ。 それに先程のカカシの話。 葎は、里のオファそのものに疑問を抱かずにはいられなかった。

---ただ、踊らされていただけってことか

 くっと奥歯を噛み締めるも、後の祭とはこのことだ。 自分はイルカの体を差し出してしまった。 だが、いったい誰が考えようか。 一介の中忍アカデミー教師を抱くためだけにここまでするか? 奴は実質、国のNo.2と聞く。 カカシの言ったように、過去奴とイルカの間に何か任務に絡んだ因縁があり、それ故にイルカが欲しいと言うのならまだ解る。 しかし、葎には”山城”が本当にイルカを抱くためだけに危険を冒してまで木の葉に来たように思えて仕方がなかった。 篭絡任務に長く身を置くくノ一としての勘、としか言い様がないが。

 楼の裏口は、幾種類かの広葉樹の低木が絶妙に組み合わされて植えられており、楼閣の裏口から出たいような人物が小扉から裏木戸までの小路を歩く姿を、外の何処かから連続して観察することができないようにできていた。 しかも低木の庭の周り、建物をぐるりと囲む高塀の内側と外側には、それぞれ常緑樹の高木がみっしりと林になっている。 つまり、相手が忍の場合、裏口から出て裏木戸に着くまでのどこかで遁走されるのを防ぎたかったら、ターゲットの側に張り付くしかないのだ。

---そんなことできるか!

 葎は口の中で毒づいた。 だが、もしイルカを連れ去られてしまったら、どうすることもできない。 そのためのカカシの配置だったが、時々刻々と入ってくる状況報告がどれも、不安を煽るものばかりだった。
 しかし、”山城”は予想に反してすんなりと裏木戸を押して現れた。
「山城さま」
 葎は一応を礼を尽くして頭を垂れた。 腹の中は煮えくり返っている。
「そんな恐い顔、しないでよ〜」
 この男のこの気の抜けたような物言いも嫌いだ。 だが、男はその時本当に脱力しています、と言わんばかりに肩を落として項垂れ、そっぽを向いた。
「だいたい、オファと違うじゃん」

---じゃん、じゃねぇっ

 身の内での毒づきが止まらない。 が、涼しい顔をして”山城”を見るとしれっと知らぬ振りをする。
「何がですか?」
「しらばっくれて、写輪眼がいるじゃんか。」
「ああ」

---まったく、あのバカっ 派手に動きやがってっ

「彼は別件で偶然ですよ。 その後の彼の行動は彼の独断です。 私どもも困惑しております。」
 嘯く。
 確かにカカシはこちらが予め用意した。 本人にもそれと知らせずに---どうして知らせることができようか!---ダミーの任務まで宛がって。 いざという時イルカを死守させるために。
「あいつのおかげで台無しだった。」
 思い出したのか、更に肩ががくーっと下がる。
「何か不都合が? お気に召しませんでしたらプロの花魁を直ぐにご用意できますが。」
 ”山城”は葎を振り返って、如何にも不服そうな顔に若干怒りを滲ませた。 葎は緊張を覚えた。
 怒らせてはまずい。
 この男には、恐らくカカシも敵うまい。
「あいつ、あの人に封じをしやがってっ おかげで彼、ずっとあの体のままだったんだよ!」
「私どもは”海野イルカ”をご用意せよ、と申し付かっただけで、閨中のことまでは与り知りません。」
「それって、俺が下手だって言ってる訳?」
 ”山城”はむうと剥れて見せた。
「別に、このまま連れて帰っても構わない、俺は。」
「それはご勘弁願います。」
 一歩退いて頭を下げる。 この男の前で無防備な姿勢を晒すのは、真剣を突き付けられるより恐かった。 だが、彼はその背中を惜しげもなく葎に晒し、警戒の欠片もない脱力姿勢で項垂れているばかりだった。 その自信が恐かった。
「だいたい何で花魁なのよ? そのまんま連れてきてくれたら良かったのに…」
 ぶつぶつ文句を垂れる”山城”は、だが決してイルカを責めなかった。
「海野イルカに直にオファを出せと?」
「そう」
「男として貴方に抱かれよ、と命じよと?」
「そうそう」
「壊れたイルカを御所望でしたか。」
「う…」
 やはり、この男、どこかでイルカと情の繋がりがある。 イルカの人間性を踏み躙る気は更々無いらしい。

---そう言えば、イルカを女として差し出すことは里からの指示の一つだった

 正式な指令の後、取って付けたようにそう命じられた。 その所為で、いろいろと綿密に下準備をしてイルカを嵌め、女に化ける事に疑問を挟ませないように仕組んだのだ。 結構、苦労させられたわ、とタイミングが命の一連の仕込みを思い出し、今更ながら冷や汗を流す。 だが、と葎はそれまで全く気にならなかった事を、急に訝しく感じ始めた。 イルカが火影三代目と懇意だったことは周知の事実だったので、イルカの今後の外聞とか男の矜持とか、カカシへの配慮とか、そんな処だろうと深く追求せずに納得していたが、実際には”山城”はイルカを知っており、当然男で忍であることも知っていた。 そしてオファと違うと言う。 里には”山城”のオファが正確に伝わっていたのだろうか? 山城程の忍のオファが歪んで伝えられるとは考え難い。 では、もっと上の、国のNo.2と言われる”山城”より上の意思が働いていたと?

---まさかな

「あれ以上泣かれるのは流石に嫌だなぁ…」
 嫌な汗を掻きそうになった葎の思考を山城が遮る。
「善がって泣くんだったら大歓迎なんだけどなぁ」
 篭絡任務の頭である葎だったが、余所に気を取られていた所為か、山城の明け透けな物言いに思わず赤面してしまった。

---イルカ、大丈夫だったかな…

 急に心配になった。 ボケボケしたイルカの顔が脳裏に浮かぶ。 目の前の男の処遇で頭がいっぱいだったが、報告によると、カカシは着いた早々に自己主張したらしい。

---カカシも、もう少し気を回せってんだっ

  好いた相手の目の前で他の男の慰み者になる気持ちが、あんたら男に解るかっ
  イルカも男なんだが、この際同士だ。
  だいたい、イルカの呆けがボケボケとこんな計略に引っかかって。
  あいつさえ引っかからなければ第二案の計画に速やかに移行する予定だったのに。

 葎は、里には報告せずに第二案、第三案と代替案を用意していた。 それは臨機応変が信条のくノ一にとっては常の事で、特に里に了解を得てはいなかったのだが、もしイルカを男として提供していたらどうなっていたのだろう。 カカシが暴れる? 否、そんなことよりももっと何か取り返しのつかない事になっていたのだろうか?

---だけど…

 と葎はここに至ってやっと考えた。 それまで自分を不安にしていたモノの正体が何か、ずっと目の前に有って敢えて見ようとしなかった事実は何か。 それは、なんだかんだ言いながら、事が上手く運びすぎている、ということだった。

---もしかしてイルカは全て解って遣っていたのではないか?

「はぁーーーっ」
 そんな葎の思考を再び遮るように、”山城”が盛大に溜息を吐いてその場にしゃがみこんだ。
「途中まではさぁ、結構いい線行ってたんだよねぇ。」
 落ちていた木の小枝を手に取り、ぐりぐりと地面に落書きを始める。
「こう何度も俺の腕の中でさぁ…くぅぅっ」
 山城は両腕で何かを閉じ込める仕草をし、ひとり思い出しては感動に浸っている。

---やっぱりコイツ、本当にイルカのこと抱きたかったんだわ

「俺も感極まっちゃってさぁ、つい、こう…ねぇ?」
 ねぇ、と言われても困る。
「そしたら、そしたらあの人、あの人ったらさぁ、俺の名前呼んでくれて、こう、ふぁーっと俺のこと……」
 山城が自分の両腕で自分自身を抱き締める。

---ああ、ああ、そうかいそうかい。 そりゃあよかったなぁ。
  どっかで聞いたような台詞言いやがって、まったく、男ってやつぁ どいつもこいつもっ

 だが、それきり長い沈黙が流れた。 葎はさすがにちょっと心配になって山城を覗き込んだ。 山城は自分を抱き締めたまま地面を見つめてじっとしている。 その肩が微かに震えている気がするのは気のせいか? この男、泣いてる? もしかして泣いてる? マジ?
 山城は再び小枝で地面をガリガリ削り、ぽつりと呟いた。
「……そんで、名前、呼び違えるしさ…」

---よっしゃっ

 葎は思わずガッツ・ポーズを取っていた。

---よくやったっイルカ、ざまぁみろ山城霞!

 最悪、カカシとこの山城との間で遣り合う事になるかもしれないと、それが一番の危惧だったのだが、それも何とか避けられたようだ、と知る。 それもこれも、イルカのボケのお陰なのだ。 山城がイルカに個人的感情を抱いている以上、イルカが大事と思う者との”無用”な争いを山城がするはずがないという、それは唯の賭けだったが、どうやら的を得ていたようだ。
 山城がちらっとそんな葎を振り返り、今なんかガッツポーズしてなかった? と聞かれ慌てて、いえっそんな滅相も無い、と口では言っても顔は笑ってしまう。
「もういいよ。 今回は諦める。」
 脱力姿勢のまま独りごちる山城の背に、だが葎は畳み掛けることを忘れなかった。
「では、例の件は?」
「うん、不問に処します。 約束どおり。」
 ”今回は”と言うのが非常に気になったが、薮蛇は禁物だ。 葎は深く腰を折った。
「ありがとうございます。」
 ほっと息が漏れ、体の力が若干抜けた。
 ”山城”は、立ち上がるとあっさり葎に背を向けてもう歩き始めていた。 肩越しにひらひら手を振られる。
「あの人が今度のことで辛い目に遭うようなことがあったら、いつでも俺んとこ来てちょうだい、とお伝えください。」
「は」
「と、写輪眼のカカシに伝えさせてちょうだいね。」
「…」
 どこまで解って言っているのだろう。
「あの、ひとつだけ伺いたいのですが」
 思わず呼び止めてしまった。
「何ですか」
 ”山城”が振り返った。 初めてまともに対面した気がした。
「あなたは何処でイルカと?」
「そんなの、忍と忍なんだから、戦場に決まってるじゃない。」
 そもそも顔見知りなのかどうか、と言う問いをすっ飛ばしているのだが、何の抵抗もなくするりと答えられて返って面食らう。
「戦場ですか? いったい何年前の話ですか。」
 イルカはここ何年も戦場に出ていないはず。
「うーん、七・八年前ってとこかな」
「そんなに前から…」
 なんだと言うのだ。 まさかイルカを愛しているとでも。
「いったい何が…」
 あったのですか、と問う言葉は、だが発する前に遮られた。
「な・い・しょ」
「…」
「俺は諦めてない、とカカシに言っといて。」
 くるっと背を向けられ、またひらひらと手を振られた。 葎は今度こそ、黙ってその背を見送った。

 それにしても。

---イルカ、侮り難し

 まったく、くノ一でないのが惜しい男、と葎が思ったことは内緒だ。


          五.対峙


 朝、山城が亭の庭に下りると、そこには既にカカシが立っていた。
 雪は夜半に止み、白梅の蕾に積もった雪も既に露となっていた。 空は雲も晴れかけて薄明るく陽が差し始めている。 今日はきれいに晴れ渡るだろうと思われた。
 カカシが何時からそこに居たのかは知らないが、予想はついていたのでさして驚くこともなく、のんびり声を掛ける。
「おつかれ」
 返事はもらえなかった。
 まぁ当然か。
 顔のほとんどが覆い隠されているカカシの疲労の度合いは量れないが、一睡もしていない、というところか。
 俺も一睡もしてないんだけど。
 それに激しい運動も…
 思わずへらっと笑っていたのか、カカシが唯一見える右目の眉を顰めて自分を睨む。
「その人をどうするつもりだ。」
 カカシの声は硬い。
 緊張か。
 今日は遣り合いたくないし、この人もやめて欲しいときっと思ってる。
 山城は腕に抱いたイルカを見た。
 情事に疲れた色っぽい顔で眠っている
 ってゆーか、かわいいっ
 ぼへーっと見惚れているとカカシが焦れたようにまた低い声を出した。
「置いていってもらおう。」
「いやだ。 連れてく。」
 つい、駄々っ子のような言い草になってしまう。
 だって凄く疲れてるんだ。
 眠いし。
 欠伸が出掛かるのをカカシがまた睨むので、仕方なく噛み殺したら顎が痛くなった。
「なら、ここで遣り合うまでだ。」
 カカシがすっとクナイを両手に握って低く構える。
「えーーーっ やだよっ」
 正直に言ってみる。
 カカシは対応に窮している様子だった。
「この人も巻き込んじゃうかもしれないし。 俺、離さないもんっ」
 カカシの前でイルカをきゅうっと抱き締めてみせる。
 だが、カカシは意外と冷静だった。
 いや、一晩の間に老けちゃったのかもしれないなー。
 悪いことしたなー、別に見て無くてもよかったのに。
 でも見られてたから燃えたのかもしれないなぁ。
 ……………
 ………泣いてたなぁ。
 イルカの泣き顔ばかりが脳裏に過ぎった。
「仕方ない。」
 カカシは掌にチャクラを集めだした。
 ちりちりと静電気が弾けている。
 これが彼の有名な”千鳥”いや”雷切”だっけ?
 へぇ、本気なんだ。
 本気で傷付けてでも取り戻そうと思ってるって?
 俺だって本気だ!
 心で拳を握って突き出してみたが、やはり脱力は禁じ得ない。
 イルカが最後に呼んだ名前はコイツのだった。
 あれは、ショックだったなぁ。
 俺、当分立ち直れないかも…
 黄昏る。
「俺、傷付けたくないよ。」
 黄昏たまま脱力姿勢で言ってみたが、カカシは戦闘モードを崩さなかった。
「あなたが離さないなら、あなたごと此処で殺すまでだ。」
 えっ? と吃驚してカカシを凝視する。
「殺しちゃうの? 余所ででも生きててほしいって思わない普通?」
「その人は何れにせよ死ぬ。」
「死なせないよっ!」
「生きる屍になぞさせない。」
「…」
 何か負けた気がした。
 言い切ってくれるよなぁ。
「この人を殺しておまえも死ぬのか。」
 やや真面目に対することにする。
 カカシに挑発は効かないらしいし、何よりこの人が愛する男だ。
「里次第だ。」
 カカシの応えは哀しかった。
「わかったよ。」
 どうせ無理だって判ってたさ。
 ちょっと意地張ってみたかっただけさ。
 踵を返して亭に戻ろうとすると、カカシは、動くなっと叫んで回り込もうとした。
「こんな所に置けないよ。 亭の縁に寝かせるから。」
 ちょっと機嫌が悪くなった。
 ぷんと膨れて見せれば、カカシは心なしか身を引いてこちらの出方を窺った。
 近くで見ると、顔が結構強張ってる。
 俺のこと、過大評価してくれてるみたいだなぁ。
 もしかして今、殺っちゃった方がいいんじゃないの?
 腕の中のイルカを見る。
 はい、やりません、すみません。
 イルカを縁側にそっと寝かせ、最後になるかもしれないその寝顔を見つめた。
 胸に来るものがある。
 もう触れることの叶わぬかもしれぬ頬に触れ、すりっと撫でるとカカシが気色ばった。
「触るな」
 ケチくさいなぁ。
 おまえはこれからいつでもいくらでも触れるじゃないか。
 俺なんか、俺なんかなぁ、七年待ってたった一晩だけ会ったら、もう一生想い出だけで生きてかなきゃなんないかもしれないんだぞっ
 ちょっとくらい…
 カカシをちらりと横目で見遣ってからゆっくり、殊更ゆっくりイルカの顔に覆い被さり、半開きのその唇に接吻けた。
 薄く開いた口から舌を差し挿れ口蓋を擽ると、イルカが、うん、と微かに唸った。
 堪らなくなって上半身を抱き起こすと腕の中に仕舞い、頬擦りをして抱き締める。
 イルカは余程疲れたのか、起きる気配はない。
 もう一度その瞳を見、もう一度その声を聞きたかった。
 もう一度その腕で抱き締めて貰いたかった。
 名前を呼ばれたかった。
 一度知ってしまったら、知らなかった過去には戻れない。
 自分の名を呼びながら腕の中の人が達く様を思い起こし、胸が熱くなる。
 俺は此処に来てこんな形でこの人を抱いて正解だったのだろうか。
 だが、時間は待ってはくれない。
 後悔はしたくなかったから此処に来たのだ。
 後、この人と会う事があるとするならば、それは恨まれるような場面しかないだろう。
 まだ、里から自分に課された枷は重く圧し掛かったままだった。
 
 カカシが意外なほどおとなしく何もしてこないので、訝しく感じてまた横目で見ると、カカシの目とかち合う。
 何か同類相憐れむみたいな目をされてちょっと嫌だ。
 断腸の想いでイルカを放し、また横たえるとそこを離れた。
 距離を取りながらじりっじりっと場所を入れ替わったカカシが、半分以上イルカに近づくと、クナイを放り出して---比喩ではない、文字通り放り出して---イルカに駆け寄った。
「イルカ先生、イルカ先生っ」
 カカシはイルカに取り縋り、体を抱き起こすと一心にイルカを呼んだ。
 イルカ先生って呼ばれてんのかぁ。
 俺もそう呼べばよかったかなぁ。
 否、カカシはカカシ、俺は俺だ。
「イルカ先生、大丈夫ですか、イルカ先生」
 なんかもう完璧俺の存在無視してない?
 ちょっとそれってどうよ?
 だが、カカシがはっとして動きを止めたのでその視線を追うと、イルカの太腿の辺りを凝視していた。
「怪我じゃないよ、それは…」
「わかってるっ!!」
 破瓜の時の血痕が残っていたのだ。
 自分でも先程明るい所で見て吃驚したというか、顔が揺るんだというか…
 しかし、カカシはもう回りが見えてません、みたいな感じで慌ててイルカを抱き上げると暫らく右往左往してから、風呂!風呂に入れなきゃ! と言ってそのままぽんと屋根に飛び上がった。
「って、えーっ? ちょっと待てっ」
 一言言っておかなきゃならないことがある。
「おい、その人を責めるなよ。 その人が今度のことでって、おいっ」
 今度の事で悲しい目や辛い目に遭ったら、今度こそ連れに来るからな〜
 って聞けよっ
 なんだよっ
 全然余裕ないじゃんっ

 もうカカシの姿はなかった。



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