イルカ38景
16:11歳
「11歳?」
「そうだってばよ!」
「だっておまえ、13歳だろ?」
「だって綱手のばぁちゃんがそういう事にしとけっと言ったんだもん」
「なんだってそんな」
「小学6年生までが出場できるからだってば」
「そうか、それなら仕方ないな。 忍者は相手を欺いてなんぼのもんだし」
「うん! 綱手のばぁちゃんもそう言ってたってばよ」
「ところで、どんな競技だったんだ?」
「影分身を29人出してさ、足を右左で括るんだ。 そんで肩組んでぇ、せぇので50m走るんだってばよ」
「30人31脚か?もしかして」
「そうそう、そんなネーミングだった」
「おまえ、もしかして30人全員同じ顔で出場したんじゃあるまいな? 30つ子でーすとか何とか言って?」
「まさか! イルカ先生、俺がそんなドジ踏むわけないだろっ ちゃんと三人づつ10組の三つ子ってことにして変化させたよ」
「さすがに30人分の変化は無理だったか… 10人分誰に化けさせたんだ?」
「俺でしょ、サクラちゃんでしょ、サスケのヤツにぃ、シノ、キバ、ヒナタでしょ、それにシカ丸とぉチョウジとぉイノ!」
「それじゃ9人だろ。 あと一人は?」
「えっ…とぉ、それは…」
「む? おまえ俺に何か隠してるな? 言えっ 吐けっ」
「わかったってば、あとの一人はイルカ先生だってばよ」
「俺? おまえ俺の子供のころの顔とか判るのか?」
「写真、見せてもらった」
「写真? 俺の子供の頃の?」
「そそそそそそ」
「そ… それで、その写真って誰から?」
「もちろん、カカシ先生だってばよ?」
「あんのバカ上忍〜〜、人の写真勝手に〜〜〜」
「なぁなぁイルカ先生ぇ、カカシ先生に言ってくれってばよ。 カカシ先生、俺の影分身一人どうしても返してくれないし、変化も分身の術も絶対解くなって利かなくってさぁ」
「…! 解けっ いいから今すぐ術を解けっ!!」
「え、いいの?」
「いいっ 俺が許す っていうかそうしろっ」
「わーいっ 実はもうチャクラがギリギリで疲れちゃっててさぁ、ああ助かったっ 解!」
「ああーーっ こら、ナルトーーーっ」(遠くの茂みでカカシの悲痛な声が響く)
「そこか腐れ上忍っ そこを動くなーーっ!」(イルカ走り去る)
「仲いいってばよ、相変わらず」
・・・
「それで、今度はなんで賞金が入らない? アイツ7秒切ったって意気揚々帰ってきたぞ?」
「10秒丁度じゃないと100万円ではないそうです。 9秒99でも10秒01でもダメ。 10秒00でないとダメだそうです。」
「な・ん・だ・ってーーーっ」
「そんな器用なこと、ナルトには無理ですね」
「く〜〜〜っ」(悔しさにハンカチを噛む綱手姫)
果たして綱手姫は諦めきれるのか?
つづく!
(注:続きません)(柱:続きました→
18:Aランク)
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