イルカ38景
06:一楽のラーメン
私、一楽のオヤジ。 ラーメン一筋四十年。 木の葉の忍衆を虜にして止まない味と腰を追求してここまできたが、実を言えばこれでも元忍だ。 今は訳あってラーメン屋のオヤジに身を窶し、ラーメン道を極めさえしているが、その裏では一つの偉大な使命を果たさんと日々精進している。 その使命とはズバリ、海野イルカを守ること、これだ。 そして、それを遂行しているのは私一人ではない。 何を隠そう、八百屋の政やんも魚屋の健ちゃんも我が同士。 我ら、イルカちゃん守り隊! こうやって我らが愛しのイルカちゃんの傍に自然に身を置き、影から日向からさり気なく守る。 これこそが我らが偉大なる使命。 決して声に出しては言えないが、八百屋の政やんなどは元暗部で
「お父さんっ ちょっとお父さんったらっ!」
「なんでぃ」
「なんでぃ、じゃないわよ、もういつもいつも! また、みんな声に出てるわよ!」
「なにぃ」
これはしたり。 俺としたことがいけねぇいけねぇ。 だが目の前にはなんと!第一級要注意人物はたけカカシが、掲げ持った丼をそのままに隻眼をひん剥いてこっちを凝視していた。 その喉がごくりと上下する。
つづく!(注:続きません)
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