イルカ38景
02:慰霊碑
「マイヤヒ~ マイヤフ~ マイヤホ~ マイヤハッハ~~♪」
「また古い歌歌っちゃって、どうしたんですか?」
「ええ、ちょっと慰霊碑に行ってきたんで」
「……あんた、意外と不徳な人間だよね…」
「だってカカシさん、今どきの歌うたおうとすると怒るじゃないですかぁ」
「今どきの歌ってどんなだっけ?」
「マハ、マハマハマハっ」
「うだっじゃいげまぜ~~んっ」
「はいはい」
「ガソリンを売るとか買うとかいう歌じゃいけないんですか?」
「アレはさすがに古すぎますよぉ」
「だいたい何でそんなに鼻歌ばっかりうたうのよ?」
「俺、鼻歌うたってないとペーパー仕事捗らないんですよね~」
「ふーん、そんなもんですかね」
「カカシさん、そういう事ないですか?」
「任務の時、鼻歌うたってたらそりゃ問題でしょうに」
「案外恐れられて、別の二つ名が付くかもですよ?」
「二つ名はもういいです」
「そうですか?」
「とにかく! さっきの歌、人前で絶対歌っちゃダメですよ? いいですか?」
「もう、なんでですかぁ。 かっこいいのにー」
「ダメなもんはダメです。 あんたほんとに何にも判ってないね」
「じゃ、カカシさんと二人きりの時なら歌ってもいいですか?」
「…それは…べつに…」
「じゃあ俺、ちょっと持ち帰った仕事しますんで」
「はい、どうぞ」
「…」(仕事)
「…」(イチャパラ)
「マハ、マハマハマハっ あっあっ」
「…」
「マハマハ、マハマハマハっ うっうっ」
「辛抱堪らんっ」
(結局イルカの仕事は捗らなかった)
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