Fat IRUKA's Painful Efforts Days
-太イルカ、その涙ぐましい努力の日々-
Staying Alive
1週間のところを5日で還った。 まだ日も高い。 イルカを吃驚させてやろうとアカデミーへ行くと、今日は休みだと言う。 ラッキー! 飛んで帰ってすぐHだ! ルンルンと足取りも軽く、任務疲れもなんのその、ふたりの愛の巣イルカの家へと向かった。
「ただーいま…」
声を潜めて玄関を開ける。 相変わらず無用心に鍵も掛けないイルカ。 まぁ掛けてたって自分には関係ないけど、どこぞの不埒な輩がかわいい俺のイルカ先生に不埒な真似なんか働いちゃってたりしたら俺切れちゃうよ?みたいな、イルカが中忍だとかそもそもそこまでして不埒な真似をしたいタイプか?とかアンタが威嚇しまくってるのにそんな命知らずなとか、全然これっぽっちも頭には浮かばないんだそうなんだ。
「イ〜ルカせ〜んせ?」
台所にも居ない。 居間にも居ない。 あれ? おかしいな? 昼間っから寝てる? あのイルカ先生が? あの仕事漬けで苦労症で貧乏暇無し(酷い)のイルカ先生が? そう言えばこの時期アカデミーを休んでるってのがそもそも変だ。 もしかして具合が悪いとか?
慌てて寝室に向かうと(と言ってもただ居間の隣の襖に足を向けただけだが)、その向こうから密やかな喘ぎ声が聞こえてきた。
「あっはっはっはぁ」
!
「…う …ヴ あっはっはっはぁ」
う、浮気?
間男?
これって現場踏み込み?!
もしかして修羅場〜〜?!!
頭がぐらーっと回る。 震える手を襖に伸ばしながら尚も中の音に耳を澄ませると、ぎぃっぎぃっと何かが軋む音まで聞こえてきて、目の前が真っ赤に染まった。 頭の中は真っ白だ。 あのイルカが? 俺の俺だけのかわいいイルカが? 俺の留守中にどこぞの馬の骨と真昼間っからよろしくやってるって?!
殺す…
パーンと襖を全て引き開け寝室に踏み込んだ。 そこにはアラレもない恰好のイルカが汗塗れで…
「イルカ先生ッ!!!! アンタッ いったいな・に・やっ・・て・・・・」
「スティン アラ〜ィヴ〜 あれ? カカシさん、おかえりなさい、早かったですね!」
あられもないレオタード姿のイルカが両耳にヘッドフォンで何か鼻歌をがなりながら汗塗れでエアロバイクを漕いでいた。
・・・
「ビージーズのぉ、Staying Aliveって曲でぇ」
「なんでレオタード?」
「あ、あの、これはガイ先生がエアロバイクと一緒に貸してくださって」
「で、アカデミー休んでオウチでエアロビクス?」
「だ、だぁってまた太っちゃってぇ」
「俺が帰るまでの2日で痩せようと?」
「はい…」
もうッ! かわいいんだから!
ムチューーッ
はいはい、馬鹿っプル…!
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